リリース
1990年(オリジナル:1981年)
トラック
- Fun ’n’ Frenzy
- Revelation
- Crazy To Exist
- It’s Kinda Funny
- The Angle
- Forever Drone
- Heart Of Song
- 16 Years
- Citizens
- Sorry For Laughing
- Fun ’n’ Frenzy
- Heads Watch
- Drone
- Sense of Guilt
- Art of Things
- Crazy to Exist
- Citizens
- Variations of Scene
- Terry’s Show Lies
- No Glory
- Endless Soul
- Sorry For Laughing
紹介 / 感想
スコットランドのバンド、Josef Kのアルバム。
このバンド、ネオアコの代表的グループのAztec CameraやOrange Juiceを擁するPostcard Recordsからアルバムをリリースしていたため、たまーにネオアコの箱に入れられている印象がある。ギターのMalcolm RossはJosef K解散後にOrange JuiceやAztec Cameraでギターを弾いていた時期もあるようなのだが、しかしながら実際聞いて見るとJosef Kがやってるのはだいぶ硬質なポスト・パンクだなあという印象だ。
トラック4の「It’s Kinda Funny」はJoy Divisionを更に暗くしたようなゆったりとした曲で、モノクロのPVと相まって鬱々とした印象を受ける。私がこのバンドを初めて知ったのは、どこかでこの曲を聞いたのが最初だったような気がする。しかしここから想像していたバンドの色というのはアルバムで聞いてみると結構印象を裏切られて、「Fun ’n’ Frenzy」「Crazy To Exist」「Sorry For Laughing」などなど、どれもジャキジャキとタイトにリズムを刻みながらそのタイトなテンポ感ぶつけてくるような曲で、むしろ「It’s Kinda Funny」が異質のようである。
このCDはバンドの唯一のアルバム「The Only Fun in Town」と、未発表デビュー・アルバムの「Sorry for Laughing」を組み合わせたディスク。この2つのアルバムは収録曲もそこそこ共通していてテイクが違ったりするのだが、「Fun ’n’ Frenzy」で始まって「Sorry for Laughing」で終わる構成は一致している。もしかすると「The Only Fun in Town」は当時お蔵入りした「Sorry for Laughing」の仕切り直しなのかもなぁ、とか思ったりする。
これらアルバムのそれぞれのバージョン違いを聞いていると、全体的にアルバム「Sorry for Laughing」は若干ぼやけた音像という印象。いやそれはそれで浮遊感がある音で個人的には凄く好きなのだけれど。「Art of Things」の感じとか。
でも、こんな風に比べてみると、バンドが理想とした形としては、実際にリリースされた「The Only Fun in Town」の鮮烈でむき出しなソリッドな音なのかもしれないな、と思ったりする。「Citizens」なんてホントに別物みたいになってて面白い。
結局Josef Kは1枚だけアルバムを発表して解散してるのだけれど、この出来上がった「The Only Fun in Town」を聞くと、閃光のようにこのバンドとしてやるべきことをやり切ったことにも頷けるような、そんな迫力があるように思う。
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